覆面の踊り手が来る西馬音内盆踊り
どんな伝承か
秋田県の西馬音内では、覆面をした者たちの盆踊りが行なわれる。原典はこれを、赤い覆面をした季候の扮装と同じく、異郷他界からの訪問者であることを示すものだと説く。覆面の踊り手はいわば神の資格であらわれるのであり、それもまた幽霊の一つの原型だという。日本のあらゆる自然と空間に妖怪が満ちており、その最も無気味に人間くさく純化されたものが幽霊なのだと述べる文脈で挙げられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の幽霊たち ― 怨念の系譜(阿部正路)
『日本の幽霊たち――怨念の系譜』は、阿部正路が書きおろした日本文学の幽霊論で、刊行は日貿出版社が手がけた。『竹取物語』『源氏物語』『平家物語』などの物語、『日本霊異記』から『遠野物語』『聴耳草紙』に至る説話、能と歌舞伎、さらに三遊亭円朝・泉鏡花・森鴎外・小泉八雲らの近代の作品に現れる幽霊をたどり、怨念の系譜として読み解く。第一章で幽霊の時・季節・姿・場・目的を論じ、終章で稲生屋敷の物怪や百鬼夜行など幽霊の周辺に及ぶ。