橋杭から刻まれた三国の橋柱地蔵
どんな伝承か
『摂津名所図会』巻三に載る橋柱地蔵尊は、境内の地蔵堂に安置されている。丈は五寸ほどである。寺記によれば、水底から拾い上げられた長柄橋の古材が朝廷へ献じられ、仏師に命じて地蔵に刻ませたという。この地は長柄橋の旧跡にあたるので、ここに堂を建てて安置することになった。そのころ大納言公任を招いて和歌を詠ませたところ、長柄江や藻にうづもる橋ばしらまた道かへてわたすなり、と詠まれた。そのとき尊像が微笑したので、世に笑地蔵と呼ぶのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。