六十一年ごとに演じる遍照寺の仏の舞
どんな伝承か
和歌山県伊都郡花園村の真言宗遍照寺の仏の舞は、六十一年目毎に里人が執行している。寺伝では恵心僧都が作り、元禄四年に江州の湖南無誰庵主梅天無明禅師がこの寺に住んで教えたと言い伝えている。隣村の中南村でも昔は行われたようで、梁瀬には今日まで続いている。仏の舞は緩やかな旋回運動の部分もあるが、宗教的仮面劇としての劇的状況をも持ち、寺院の仏会に際して演出され、それが同時に信仰の唱導であった。
原典より
和歌山県伊都郡花園村、真言宗の遍照寺の仏の舞は、六十一年目毎に俚人が執行してゐる。—— 福井縣鄕土誌 民間傳承篇(中塩清之助(編)・福井縣鄕土誌・1939年(昭和14年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
福井縣鄕土誌 民間傳承篇(中塩清之助(編)・福井縣鄕土誌・1939年(昭和14年))
『福井縣鄕土誌 民間傳承篇』は、福井市立実科高等女学校の郷土誌第二輯として教諭中塩清之助が編み、昭和十四年二月付の学校長金岡正孝の序を巻頭に置く。丹生郡の名、哭女、越前萬歳、仏の舞、幸若舞、猫塚、隠れ里、子育て幽霊、愛発の関、弁慶譚、八百比丘尼、水の神女譚を、古文献や他地方の類例と照らして論じる。生徒が集めた県下の昔話は類話をA・Bなどに分けて並べて解説を付し、校正者大村四朗の跋を添える。