タカの首に巻いて空を行くハブ
どんな伝承か
九月、椎の実のなる頃、ハブはよく木のハナ、つまり先のほうへよじのぼっているという。この頃には木のうら、梢にタカが来て止まるので、ハブはこれを待ち受けてその首に巻きすがり、高空を飛行して涼しく遊び巡るのだと報告されている。たいていは小ハブのじゃれであろうという。部落によってはこれをタカンクビと称し、別種の蛇だと信じているところもあるらしい。タカンクビとは、秋、椎の実のなる頃にタカの首に巻いてやってきて、タカが去る頃にまたタカの首に巻いて去るムシだという。これはキジと蛇との話によく似ている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。