下吉田ホーリネス教会の念写実験
どんな伝承か
大正八年一月六日の夜、瑞穂村下吉田のホーリネス教会で渡邊偉哉の念写実験が行われた。蓬来病院長の渡邊美や牧師の泉田精一ら十名が立ち会い、二枚目に草書で『文化運動』、四枚目に草書で『霊光』、六枚目に楷書で『大正』を写すと決めた。渡邊はどれも数分で念じ終え、現像すると二枚目と四枚目には字がくっきり浮かんだ。六枚目は十分待っても全面が感光しただけで字は出ず、ほかの三枚には感光の跡すらなかった。乾板を預かった山中信彼は、その清さは自分が請け合えると述べ、目の前の出来事にただ驚くほかなかったと感想を寄せている。
原典より
学界未曾有の大問題たる念寫は、吾人の眼前で最も確実に証明せられた。—— 現代心霊現象之研究(エッチ・カーリントン・心霊研究・1924年(大正13年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代心霊現象之研究(エッチ・カーリントン・心霊研究・1924年(大正13年))
『現代心霊現象之研究』は、米国のエッチ・カーリントンが一九一九年に著した『現代心霊現象』の関昌祐による訳書で、訳者の序辞は大正十三年五月二十日付である。心霊現象と進化論・心理学・生物学・倫理学の関係を論じる部と、霊媒ユーサピアの回想、幽霊、心霊写真、心霊体の投影、憑きもの、エルバーフェルトの馬、植物の霊などを扱う部から成る。巻頭に福来友吉の序文、巻末に山梨県の渡辺偉哉の念写実験と福来の念写理論を記す附録と、水晶球凝視の実験報告を置く。