青年による熱海旅館での類似体験
どんな伝承か
遠藤周作と三浦朱門が熱海の宿の離れで霊に遭った夜から二か月ほどたったころ、遠藤の家に見知らぬ青年から電話がかかってきた。青年は、雑誌に載った三浦の文章を読んだと前置きし、自分もかつて熱海の同じ宿に泊まって恐ろしい目にあったと打ち明けた。遠藤が詳しく聞いてみると、青年が泊まったのは二人と同じ離れの部屋で、そこでセルの着物を着た若い男の姿を見たのだという。別々の人が、同じ部屋で同じような霊に出会っていたことになる。
原典より
詳しく尋ねると、遠藤たちが見たのと同じ離れの部屋で、やはり同じ「セルを着た若い男」を見たと言うのです。—— あの世はあった―文豪たちは見た、ふるえた(三浦正雄・矢原秀人・2006年(平成18年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
あの世はあった―文豪たちは見た、ふるえた(三浦正雄・矢原秀人・2006年(平成18年))
『あの世はあった――文豪たちは見た!ふるえた!』は、三浦正雄と矢原秀人が二〇〇六年に著した、近代日本の作家や知識人の霊体験を紹介する読み物である。熱海の旅館で遠藤周作と三浦朱門が同時に遭った幽霊、佐藤愛子の心霊現象、菊池寛・宮沢賢治・小泉八雲・土井晩翠・新渡戸稲造・南方熊楠らの体験、夏目漱石の臨死体験を、本人や周囲の文章を引いて語る。一人一章の全十二章にまえがき・あとがきを添え、巻末に霊媒クランドン夫人の実験記録を付録として収める。