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盗伐の松を押さえた芝山仁王の巨人

所在地千葉県山武郡芝山町芝山(芝山仁王)
年代不明
登場体験者、伝承者
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

安永年間、上総国山武郡の芝山仁王の境内で、村の貧しい男が松を盗み伐って倒そうとしたが、どうしても動かない。力を使い果たして一息つき、ふと見上げると、背丈一丈あまりの大男が両手で松をしっかり押さえていたので、男は気を失った。この松はその後ふたたび根づいて生き続けたが、毎年伐られた日になると葉がすっかり枯れ色に変わるという。文政二年、境内に塔を建てるにあたり邪魔な松を伐ると決めると、その夜のうちに松が後ろ向きにねじれ、妨げにならない姿になった。また大材を運ぶ車の下に老婆が倒れたが、重い材木は腹の上を滑るように通り過ぎ、けが一つなかったと伝わる。

原典より

体力を尽して休息したとき仰ぎ見ると、一丈余の巨体の人が両手で松をしっかりと押へて居たので、気絶をして仕舞つた。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

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