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船べりを這い上がる浴衣の女

所在地千葉県木更津市吾妻(板津鼻)
年代不明
登場とめ、圓蔵、心霊研究者、幽霊の体験者、心中した娘(渡邊茂の長女)、心中した情夫(元木常右衛門の長男)
出典幽霊は語る

どんな伝承か

木更津沖で角帯の男の幽霊が出たあと、同じ町の星野浅治郎も同じ海で漁をしていて、蝶の模様の浴衣を着て髪を振り乱した女が船べりから這い上がろうとするのを見て、肝をつぶして逃げ帰った。田淵源之助もここで女の幽霊を見たという。四十一年中に同じ海で無理心中をした木更津町の渡辺茂の長女とめと、金田村の元木常右衛門の長男円蔵の亡魂だろうと噂された。当てにならない話だとしながらも、二人の親族はこの一月に施餓鬼を営んだという。

原典より

又同所海中にて漁業中怪しの女が蝶々模様の浴衣を着て髪振乱し、船のがわより這い上がらんとするを見て仰天して帰つたことがある。—— 幽霊は語る(梶天真・1938年(昭和13年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽霊は語る(梶天真・1938年(昭和13年))

『幽霊は語る』は、梶天真が編んだ幽霊譚と幽霊論の集成で、昭和十三年に文明社から出た。新聞・雑誌の記事や井上円了・柳田國男・高峰博らの所説、古典の文を出典を添えて引き、葬送の習俗や布哇の霊魂観から説く幽霊思想、幻覚や網膜による説明、乃木大将が見た我が子の幽霊などの実話を集める。三篇に分かれ、第二篇は男女の幽霊・怨霊・生霊・小児の見た幽霊・前知らせなど八項、第三篇は幽霊写真・化物屋敷・霊界通信を扱い、巻末を夕張と筑前の幽霊問答で結ぶ。

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