医師を拒み腸チフスで逝った時計商
どんな伝承か
石川県鹿島郡七尾町字一本杉町の貴金属時計商・鵜沢宇吉は、資産二十万を持つ有力な実業家で店も繁盛していた。三年前に七尾町へ入ってきた生長の家の信者となり、浄土真宗両派の一信会の会合でもその教理を掲げていた。やがて鵜沢は腸チフスにかかったが、自分は病気ではない、生長の家の信者だから必ず回復すると言って医師の診察を拒んだ。隣の寺の高陽氏が涙ながらに受診を勧めても聞き入れず、悪化の一途をたどった。死が近づくと生長の家の信者も寄りつかなくなり、親族がようやく入院させたが手遅れで死去し、若い未亡人が残されたという。
原典より
自分は病気でない、又生長の家の信者である、キット回復する、医者などにも用なしとはねつけてをられました。—— 邪教に迷はされた人々(好村春基・浅野研真ほか編・新興宗教・邪教批判) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
邪教に迷はされた人々(好村春基・浅野研真ほか編・新興宗教・邪教批判)
『邪教に迷はされた人々』は、邪教撃滅聯盟の発意により浅野研真・島影盟・広木勇郎・好村春基が協同で編んだ本である。天理教・ひとのみち・生長の家・大本教などに迷って、病人が医者から遠ざけられて死んだ話、精神を病んだ話、行者に辱められた話、家や財産を失った話を、遺族や民生委員の手記、『大法輪』『婦人公論』昭和十一年の記事などから集め、八類に分けて並べる。後半に島影盟の邪教弾圧史と田所通世の取締法規の解説を付ける。