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大阪の旅館における女中の幽霊体験

所在地大阪府大阪市
登場長田幹彦、著者・目撃者
出典霊界

どんな伝承か

著者がまだ遊びの盛んだった若い頃、大阪の待合のような宿に泊まった晩の話である。客が立て込んで座敷が空かず、屋根の上に設けた涼み用の床で寝ることになった。夜中に目を覚ますと月が出ていて、すだれの外を、浴衣を着ていちょう返しに髪を結った女が行き来している。呼ばれた女かと声をかけると、姿は消えた。下へ降りて話すと、おかみは声をあげて「また出ましたか」と言う。翌朝聞けば、胸を患っていた若い女中があの床で亡くなり、三か月ほどしてから姿を見せるようになったという。床の茣蓙には、霊を鎮めるために立てた線香が風で倒れてできた焦げ跡が四、五十もあり、見せてもらった女中の写真は昨夜の姿とほとんど違わなかった。

原典より

下へ降りてきて、おかみさんにその話をしますと、おかみさんは『ワッ』といつて『また出ましたか』というのです。—— 霊界(長田幹彦・1953年(昭和28年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

霊界(長田幹彦・1953年(昭和28年))

『霊界』は、長田幹彦が昭和二十八年に著した心霊の講話集である。著者の超心理現象研究会で行った交霊会の実験、物品の引き寄せや乾板への感光、エクトプラズムやライン博士の念力説、霊との対話から考えた死後の世界を、語りかける口調で説く。霊の実験・肉体のない人間・美しい死後の世界・霊媒の生態の四講からなり、最後の講は交霊会の夜の霊媒たちの姿を物語ふうに描く。

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