麓山神社に伝わる神おろし
どんな伝承か
密教ないし修験系の護法憑き・神懸かりと同系の行事は、諸国にまだ多く残っているという。その一例として、『新編会津風土記』四九巻、『耶摩郡誌』『大日本地名辞書』などに見える福島県耶麻郡の麓山神社の神おろしが挙げられている。これらの行事では、とくに護法憑きとか護法実という言葉は使われていないようであるが、それが密教ないし修験系のものであるかぎり、鞍馬や吉野の護法祈と同系のものであり、『今昔物語集』や『大鏡』の記事にも通ずるものであると考えて、おそらく狂いなかろうと述べられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年))
『日本の憑きもの――俗信は今も生きている』は、石塚尊俊が昭和三十四年に著した研究書である。狐・犬神・蛇などの動物霊が人に憑くという俗信と、それを操るとされる家筋について、全国の伝承と近世以来の文書を集めて論じる。出雲・隠岐・豊後・土佐では筋の家の割合や縁組の偏りを調べ、憑きもの落としの行法や家の神とのつながりまでを七章で追っている。