半殺しの話
どんな伝承か
昔、遠方から養蚕を教えに来ていた教師が、各地を渡り歩くうちに覚えた話で百姓家の人々を笑わせていた。ラジオもない時代で、物知りの客の話は何よりの楽しみだった。その一つがこんな話である。ある人が「半殺しを食べるか」と勧められ、何を半殺しにするのか見当もつかず、恐ろしくてとても食べられないと断った。ところが見れば、皆がおいしそうに食べていたのはぼた餅だったという。語り手が幼いころに聞かされた小咄である。
原典より
半殺しなんて、なんの半殺しかわかんねえから、そんなもの、おっかなくてとても食わねぇ—— 竜ケ崎市史民俗調査報告書2(長戸・大宮地区)――伝説・怪異(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
竜ケ崎市史民俗調査報告書2(長戸・大宮地区)――伝説・怪異(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書)
『竜ケ崎市史民俗調査報告書2(長戸・大宮地区)――伝説・怪異』は、竜ケ崎市史の民俗調査報告書の一冊である。大塚・板橋・塗戸・半田・薄倉・大徳・宮渕・佐沼などの集落で昭和五十九年から六十年に聞き取った昔話と伝説・世間話を、話者の集落・性別・生年と採話の日付を添えて、語りの言葉のままに収める。伝説・世間話は「土地のはなし」として集落ごとにまとめ、狐に化かされた話、塚の火の玉、沼の大蛇などを並べ、昔話には話型の番号を付す。