火防地蔵様のお札
どんな伝承か
かまどで薪を焚いて飯を炊いていた時代の話である。ある家の母親が飯を炊いている最中、目を覚まして泣く子に添い寝して乳を含ませるうち、そのまま眠り込んでしまった。かまどのそばの枯れ葉に火が移り、障子を伝って燃え上がったが、かまどの前の柱に貼ってあった火防地蔵のお札の所で、火はぴたりと止まった。愛宕様に救われたのだと、その家はそれから愛宕様を篤く信心するようになったという。
原典より
ここまでで火が止まって、それで、愛宕様に助けられたってことで、それからここの愛宕様を信心してんだって人の話。—— 竜ケ崎市史民俗調査報告書2(長戸・大宮地区)――伝説・怪異(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
竜ケ崎市史民俗調査報告書2(長戸・大宮地区)――伝説・怪異(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書)
『竜ケ崎市史民俗調査報告書2(長戸・大宮地区)――伝説・怪異』は、竜ケ崎市史の民俗調査報告書の一冊である。大塚・板橋・塗戸・半田・薄倉・大徳・宮渕・佐沼などの集落で昭和五十九年から六十年に聞き取った昔話と伝説・世間話を、話者の集落・性別・生年と採話の日付を添えて、語りの言葉のままに収める。伝説・世間話は「土地のはなし」として集落ごとにまとめ、狐に化かされた話、塚の火の玉、沼の大蛇などを並べ、昔話には話型の番号を付す。