娘に化けるお道狐
どんな伝承か
離山から発地へ向かう道の辻に、お道という名の狐がいたと伝わる。お道は十六、七歳ほどの娘に姿を変えて、行き交う旅人を惑わしたという。避暑地となる以前の軽井沢では、人を化かす狐は名を持つ限られた狐とされており、お道もその一匹だった。こうした狐の出る場所は旧軽井沢の町場を取り囲む境にあたり、辻はもともと不思議な出来事の起こりやすい所と見られてきた。
原典より
離山から発地へ行く辻にいたお道という狐は、十六、七の娘に化けては旅人をたぶらかした。—— 軽井沢町誌 民俗編 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
軽井沢町誌 民俗編
『軽井沢町誌 民俗編』は、軽井沢町の町誌の民俗編である。この写しは「不思議な境」の見出しの下で旧道を論じる一段に始まり、第二節「怪異のフォークロアより」では、旧軽井沢の周縁の峠や辻に結びついた名のある狐の話、墓地の跡に建った別荘の怪談、別荘地で道に迷う話、メディアが広めた怪談を、話者の聞き書きを引いて論じる。続く第三節「創出された『軽井沢』」は、原野から造られた「大自然」を論じる途中で切れる。