下田に伝わったコックリさま
どんな伝承か
コックリさまの起こりについて、石川雅章は次のように説く。明治十七年ごろ、一隻のアメリカ船が伊豆の下田近くで難破し、修理のためしばらく下田港にとどまった。その船員たちが伝えたのが、テーブル・ターニング(机転術)と呼ばれる遊びである。三本の脚を組んだ上に飯びつの蓋やお盆を載せて布をかぶせ、囲んだ人々が手を重ねて神霊が憑くよう念じ、問いを立てると盆が傾いたり脚が上下したりして答えが出る。こっくり傾くことからコックリさまと呼ばれ、のちに狐狗狸の字があてられ、狐や狸、天狗が憑いて過去や未来を告げる降神術として全国に広まった。
原典より
明治十七年かに一アメリカの船が伊豆の下田附近で難破して修理の爲め暫く下田港に滞留中、その船員に依って伝えられたという魔術遊戯で、…—— 日本の俗信 2――俗信と迷信(迷信調査協議会・日本の俗信・1951年(昭和26年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 2――俗信と迷信(迷信調査協議会・日本の俗信・1951年(昭和26年))
『日本の俗信 2――俗信と迷信』は、迷信調査協議会が文部省への第二回報告書として編んだ答申書で、まえがきに昭和二十六年十二月の日付がある。迷信の定義や時代性、俗信と生活慣習の区別を委員たちが論じ、食い合わせや守札、憑きもの、河童の名称の分布、迷信による殺人の精神鑑定例などを取り上げる。総論と座談会、各論、結婚・妊娠の迷信の解明、新聞の社説・投書を集めた附録の四章から成る。