小木の資産家を助けた老猫おけさ
どんな伝承か
小木の資産家の家に、十六歳になる老猫のあさが飼われていた。家が没落したとき、あさはふいに姿を消してしまう。数日ののち、けさと名乗る娘が訪ねて来て、家業をよく助け、ついに身代を立て直させた。おけさのうたう唄と舞う踊りは評判となり、家は再び栄えたという。ところがある夜、主人の夢枕にあの老猫が立った。翌朝、おけさは息絶えており、その骸は老猫の姿に戻っていた。主人は猫塚を築いて手厚く葬ったと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第3巻』は、山形・福島・新潟の三県に伝わる伝説を集めた叢書『日本伝説大系』の一巻である。湖水の干拓、鮭の大助、八百比丘尼、弥三郎婆、安達ヶ原の鬼婆、産女、雪女房、河童などの話のほか、松・杉・石・池・清水・温泉・長者にまつわる伝説を、口承資料を主に採っている。全体は「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」に分かれ、各項目は例話と伝承地を掲げ、〔類話〕〔文献〕〔参考〕で近世以後の史料や県外の類例を補う。