月光を布と見誤った飛騨の匠
どんな伝承か
石見の邑智郡矢上村、いまの邑南町矢上にある山の由来話である。布引山の女神と飛騨の匠が賭をした。女神は一日一夜のうちに布を織り上げて山を巻いてみせると言い、匠のほうは同じ間に寺を建ててみせると答えた。夜明けが近づいたころ、あたり一面が白く見えたので、匠は布が巻かれたと思い込んで手を止めた。ところがそれは月の光であった。この話から布引山の名が起こったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。