蜻蛉が導いた酒の泉と長者
どんな伝承か
鹿角のダンブリ長者は、はじめ深い山の谷あいに住み、妻と二人きりで畑を耕して暮らしていた。ある日、畑のかたわらで居眠りをしていると、一匹の蜻蛉が山陰の岩のあたりから幾度も往き来し、開いた口の中へ尾を差し入れた。夢の中では酒を飲んでいる心地であったという。目覚めてから妻にこの不思議を語り、岩の下へ行ってみると美しい泉が湧いていて、それが酒であった。夫婦はこの泉を飲んで寿命を大いに延ばしたと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。