裏山の黄金を掘り当てた炭焼藤太
どんな伝承か
福島にも炭焼藤太の話が伝わるが、先の例とは筋が異なる。京都のある中納言の娘が、器量が悪く縁に恵まれないのを嘆いて北野天満宮に祈ったところ、道奥国信夫郡平沢に住む藤太を夫にせよという告げを得た。娘は炭焼藤太を訪ねて夫婦になる。あるとき黄金を渡して家財を求めてくるよう頼むと、藤太は道中で池の鴨にそれを投げつけて踊った。嘆く妻に、そのようなものなら裏山にあると答え、行ってみると多くの黄金が掘り出された。鴨に投げた場所は鴨の池と呼ばれ、三人の子はともに栄え、その屋敷跡を長者屋敷という。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。