井戸に身を投げたお菊と戻った皿
どんな伝承か
上臼井の豪家清左衛門の下女お菊は、家宝の皿一枚を紛失した罪を着せられ、屋敷内の井戸に身を投げた。その亡霊が毎夜現れて皿を数え、九つに至ると泣き出したという。お菊の情夫三平は回向のため旅に出て播州に逗留し、そこへ訪ねてきた女と夫婦になる。のちに名僧が来て三平夫婦が参詣すると、にわかに雷雨となり、晴れてみれば妻の姿はなく衣類だけが残り、その中に紛失した皿があった。皿は寺に納め、菊の菩提を弔ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。