飯豊山で石になった姥の清水
どんな伝承か
耶麻郡豊川村の長尾に姥清水がある。昔、この地の修験者が飯豊山へ登ったとき、その母である老婆が、我が子が登れる山に女が参れぬはずはないと言い、この清水で二三日のあいだ水垢離をとってから後を追った。山頂に近い一ノ王権現のあたりで石に腰を下ろして休むと、下半身が石に貼りついて離れず、やがて上半身にも及んで石になってしまったという。長尾の者が登る日は、どれほど晴れていてもいくらか雨が降り、これを姥が涙雨と呼ぶ。
原典より
昔、修験者が飯豊山に登山したが、その老婆が我が子の行くのに、女とて参詣の出来ないはずはないとて、この清水で二三日水垢離をしてその跡を慕つて行つた。—— 日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。