食にあぶれ憤死した飼犬の塚
どんな伝承か
市原の徳永台に伝わる犬塚の話。むかし字寺谷に寺があり、そこの住職が飼っていた犬は毎朝暗いうちから坊を回って餌をもらっていた。ところがある日、百坊の僧が申し合わせたように同じ時刻に朝の勤めへ出てしまい、犬はどこでも食べ物を得られず、舌を噛み切って死んだ。住職は手厚く葬って犬塚と呼んだ。のちに犬の霊が住職に告げ、寺が傾くときにこの塚を掘れば錫と朱が千俵ずつ、金は十億万貫も出るはずだと言ったという。塚を暴く者が出るのを恐れ、木花咲耶姫命を祀って浅間の碑を建てたため、今は浅間塚と呼ばれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。