生き埋めで果てた菊五郎の疣神塚
どんな伝承か
南安曇郡高家村の真々部に行人塚がある。寛政の頃、この村の百姓菊五郎が重い病にかかり、妻には去られ、子を手にかけたのち諸国を巡礼して故郷へ戻った。そして竹の管を地上へ通した穴に、茶と落雁七つを携えて棺ごと入り、念仏を唱えながら生き埋めとなって果てた。その後六日のあいだ、地の下から鐘の音が響いたという。いつしか疣神として祀られ、願がかなうと急須と茶碗を供える。借りた急須に茶を入れて湯を注ぐと鉦の音がするといい、返すときは二倍にして返すならわしである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。