津波だけを封じた沖之須の晴明塚
どんな伝承か
小笠郡横須賀町の沖之須に、石を積み上げた晴明塚がある。生命塚とも呼ばれ、疱瘡除けを願う者はここの石を借りて帰って祀り、願がかなうと倍にして返す。どんな石でもこの塚に置くと一晩のうちに小豆色へ変わるという。昔、村人が安倍晴明に遠州灘の波の音と津波とを封じてほしいと頼んだが、集まった謝礼が津波の分にしか足りず、津波だけを封じてもらった。おかげで津波の心配はなくなったが、波の音ばかりはどうにもならないと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。