呪われた家と避けられ衰える本間家
どんな伝承か
ハルの変死が近所に漏れると、町では本間家の主人が弟の妻を殴り殺した、娘も狂って入院したと噂が飛び、一年に三人もおかしな死に方をした呪われた家として、誰も関わろうとしなくなった。巻き添えを恐れて女中二人と下男一人が暇を取り、残った使用人は老女中のおまき、源兵、雑役の伝吉の三人だけになった。九人いた二つの家族も、三人が死に二人が正気を失って、まともなのは四人に減っていた。昭和三十年には良助とフミ、英男の三人しか残らず、英男も心労で床に伏しがちになった。噂は家業にも響き、英男は仕事を人に任せたり譲ったりして手放していったという。
原典より
本間家の方も、九人いた二つの家族が、三人が死んでしまい、二人がおかしくなって、何とか正常なのは、四人だけになってしまったわけです。—— 恐怖の事実と悪霊を除く法-本間家の話(中岡俊哉・1976年(昭和51年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
恐怖の事実と悪霊を除く法-本間家の話(中岡俊哉・1976年(昭和51年))
『恐怖の事実と悪霊を除く法-本間家の話』は、中岡俊哉が一九七六年に著した『悪霊があなたを狙う』(双葉社)のうち、まえがきと目次、第一話「“幽霊屋敷”悪霊のたたり」を収めたものである。千葉県館山市上野原の網元本間家で、娘の神隠しを発端に一家が絶えるまでの出来事を、元下男の源兵じいさんが著者に語った聞き書きの形で記す。目次には悪霊憑依の実話十一話の題と、霊魂の存否と悪霊対策を論じる「悪霊を除く法」の章が並ぶ。