長尾夫人・重箱の郵送透視
どんな伝承か
明治四十三年十月、東京朝日新聞の記事と丸亀中学校教頭菊地俊諦の便りで丸亀の長尾郁子の能力を知った福来友吉は、二十九日の夜に試験物を五つ作った。小さな厚紙に任意の三文字を書いて錫箔で二重に包み、封筒に入れて絆創膏で封じ、認印を押したものである。これを菊地に送って透視を頼むと、菊地は一つを重箱に入れて机に置き、郁子は箱に触れないまま精神を統一した。郁子は、表に「来吉」の二字、その奥に光るものが何枚もあり、さらに奥に「天成雨」の三字があると答えた。開けると天成雨は的中しており、光るものは錫箔、来吉は封じ目に押した福来友吉の認印の字だった。
原典より
天成雨の三字は、開封の結果、全然的中であつた。—— 心霊と神秘世界(福来友吉・1932年(昭和7年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊と神秘世界(福来友吉・1932年(昭和7年))
『心霊と神秘世界』は、文学博士福来友吉が著し、昭和七年に人文書院から発行された心霊研究と仏教思想の書である。御船千鶴子・長尾夫人・三田光一らの透視と念写をはじめ、霊の幻化、念動、物質化など国内外の心霊現象を実験記録とともに論じ、後半では自我・神秘世界・霊と生命を真言密教や華厳の教えによって説く。全五編からなり、この本文は昭和五十七年に心交社が出した復刻版で、梅原正紀・井村宏次らの「解説研究編」を付している。