トップ > 東京都の伝承 > 台東区

本郷へ帰してと訴える玉菊の人形

所在地東京都台東区(吉原)
年代享保十三年三月二十九日(玉菊没)/明治三十三年七月(人形が囁く)/三年前(人形展)
登場西澤笛畝、中村歌右衛門、玉菊、小林辨吉、松吉、人形を愛蔵した吉原の名妓、人形を松吉に与えた稲辨樓の主人、人形のささやく夢を見た吉原の芸者
出典靈魂に就いての奇話

どんな伝承か

西沢笛畝の談。三年前、高島屋の人形展で陳列を受け持った笛畝は、中村歌右衛門が出品した『市之助』という人形にだけ生きた気配を感じ、来歴をたどった。享保十三年に若くして世を去った吉原の名妓玉菊が手放さなかった人形は、中万字屋に伝わり、明治に稲弁楼の主人小林弁吉の手に渡り、同じ吉原の年増芸者松吉に贈られた。明治三十三年七月、眠る松吉の枕元で人形が本郷へ帰してと訴える夢が三晩続く。ちょうど本郷春木座の盆興行で、当時芝翫を名乗った歌右衛門が玉菊を演じると知った松吉は、人形を楽屋の歌右衛門に託した。

原典より

松吉が寢てゐる枕元で、訴へるやうにこの人形がさゝやくのでした。—— 靈魂に就いての奇話(本誌記者編・趣味の科學) より引用
地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

靈魂に就いての奇話(本誌記者編・趣味の科學)

『靈魂に就いての奇話』は、本誌記者が編んで雑誌の連載欄「趣味の科學」に載せた心霊研究の読み物である。欧米の心霊研究が説く霊魂と死後の生活、エジソンの霊界通信機の構想、ノバスコシアの騒霊事件、亡き人が夢や姿で知らせた話などを、学者の説や新聞雑誌の記事から集めて紹介する。「死後の生活」「不思議の現象と心理研究」「千里眼念寫の奇現象」と題を替えて回を重ね、終回では長尾郁子の透視や渡邊偉哉の念写の実験記録を取り上げる。

種別から探す

人形夢告げ芝居

台東区の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『靈魂に就いての奇話』の伝承