能西寺の近くで誘う年増の女
どんな伝承か
田中に住む古老の話によると、能西寺という寺は大昔には虫掛にあり、いつの時代にか田中へ移ってきたという。寺がいつごろまであったのかは、古老にもわからない。この寺の近くの道を若い男が歩いていると、着物の裾をからげて赤い下着をちらちらとのぞかせ、姉さんかぶりをした年増の女が姿を現す。女は「おにいさん」などと甘い声で話しかけてきて、たいていの男はその声にふらふらと引き寄せられてしまうのだという。
原典より
若い者が、お寺の近くの道を通ると着物のすそをはしより、赤い下着をチラチラさせながら、ねえさんかぶりをした年増の女が出てきて、「おにいさん・・・・・・」とか何んとか、あまい声で話しかけるそうだ。—— 土浦市史 民俗編――伝説(土浦市(編)・土浦市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
土浦市史 民俗編――伝説(土浦市(編)・土浦市史)
『土浦市史 民俗編――伝説』は、市史の民俗編のうち第一節「土浦の伝説」と第二節「ことわざ」の冒頭を収める。首洗い井戸、狐の嫁入りや化かされ話、宍塚大池の大蛇、佐野子のカッパの手、弘法大師の石いもと照井、大聖寺の竜の爪、如宝寺の木食上人の入定など、市内の地名・寺社・池にまつわる伝説を、古老の話や市報・ふるさと運動の調査・資料館の調査・『東村誌』から引いて記す。各話に見出しを立て、ことわざは天候・動物などの題目ごとに番号を付けて掲げる。