九重塔とクジョントの坂
どんな伝承か
舟岡山のふもと、七ヶ用水のあいだを通る国道の坂は、クジョントの坂と呼ばれている。白山荘厳講中記録には、観応二年に雷火で五重塔が焼けたと記されており、かつてこの坂のあたりに塔が建っていたらしい。屋根が二重に見えて九重塔と呼ばれたのか、塔が無くなったあとも名だけが坂に残ったのかもしれないという。のちに土屋勘四郎が九重の石塔を建てたことも記録に見えるが、白山村のどこに建てられたかは分からず、クジョントのあたりであろうと推測されている。
原典より
舟岡山の麓、七筒用水の間を通る国道を、クジョントの坂と呼ばれているが、坂の周辺に九重塔が建てられていたと思われる。—— 河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説(河内村(編)・河内村史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説(河内村(編)・河内村史)
『河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説』は、白山麓の河内村の村史の民俗編から、民話・伝説と故事を記した節を収めたものである。白山の千蛇ヶ池や富士山との背くらべ、高ボウケの大蛇、猿仏の名号、おひなの荒、天狗、菊酒、池の金山の伝説など、村と周辺に伝わる話を、白山関係の古文書や郡誌を引きながら記す。第三節「民話 伝説」、第四節「故事 伝説」、第五節「伝説」に分け、話ごとに題を立てて由来や現地のようすを添えている。