土橋に不浄を通す禁忌
どんな伝承か
白山の旧白山小学校の横を流れる小川には、もとは土橋が架かっていた(今は土管になっている)。戦前まで、この橋を死者や不浄なものが渡ると穢れになると言い伝えられ、神主町で亡くなった人を白山の火葬場へ送るときは、山手の八幡のほうへ回って白山宮の裏を通り、浄養寺のあたりへ下りてきた。旅先で亡くなってどうしてもこの橋を渡らねばならないときは、清めの塩をまいて通った。死者を渡すと天気が急に変わり、大雨や霰が降るといわれた。この小川は白山宮の神供米を洗う水が流れる川とされ、人々は白山宮を敬ったという。
原典より
又旅先で死亡してこの土橋を通らなければならない者は、穢を払う浄めの塩をまき清めて通ったものであるが、死人を通すと天候が急変し、豪雨や震が降るといい伝えられたものである。—— 河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説(河内村(編)・河内村史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説(河内村(編)・河内村史)
『河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説』は、白山麓の河内村の村史の民俗編から、民話・伝説と故事を記した節を収めたものである。白山の千蛇ヶ池や富士山との背くらべ、高ボウケの大蛇、猿仏の名号、おひなの荒、天狗、菊酒、池の金山の伝説など、村と周辺に伝わる話を、白山関係の古文書や郡誌を引きながら記す。第三節「民話 伝説」、第四節「故事 伝説」、第五節「伝説」に分け、話ごとに題を立てて由来や現地のようすを添えている。