煙草で狐を追い払った子供
どんな伝承か
子供のころ、狐に化かされそうになったことがあった話。まだ乗り物がない時代、歩いて越谷まで本を買いに行った帰り、道に迷ってしまい夜になった。心細い思いで夜道を急いでいると、後ろから狐がついてくる。振り返るとその狐はきれいな男に見えた。化かされまいと持っていた煙草に火をつけ、二口三口吸って煙を吐き出すと、狐は逃げていったという。狐に後をつけられたときは煙草をふかすと逃げ、逆に振り返って声をかけると化かされてしまうといわれ、狐は男には女の姿、女には男の姿となって美男美女に化けて近づいてくるので用心しろと伝えられている。
原典より
そこで狐に化かされないようにという用心で持っていた煙草に火をつけて、子供ながらも二口、三口吸って煙を吐き出すと狐は逃げてしまった。—— 草加市史 民俗編――伝説(草加市(編)・草加市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
草加市史 民俗編――伝説(草加市(編)・草加市史)
『草加市史 民俗編――伝説』は、草加市史民俗編のうち「二 伝説」の章である。地名起源・塚・神々・地蔵・薬師・観音・その他の神仏・旅の僧・動物と妖怪の九節で、柿木や青柳の地名の由来、毛長神社の御神体、疣地蔵や火あぶり地蔵、雨乞いの龍、むじな大尽などを、『新編武蔵風土記稿』や縁起碑、土地の伝えによって記す。第十節「世間話」は狐・むじな・狸・雷獣の聞き書きを集め、話ごとに町名と話者の頭文字・生年を添える。