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光前寺の霊犬へえぼう太郎の猫退治

所在地長野県駒ヶ根市赤穂(光前寺)
登場へえぼう太郎
出典長野県上伊那誌 第5巻 民俗篇――昔話・妖怪譚

どんな伝承か

赤穂村の光前寺の裏の杉林で、山犬が難産に苦しんでいた。住職が経を唱えながら近づいて養生させると、山犬は無事に子を産み、礼に一匹を寺に残して去った。これがへえぼう太郎で、手紙の使いもこなす賢い犬だった。そのころ遠州のみさくぼで、神殿に泊まった六部が、体は女で顔が猫の獣たちの酒盛りを目にする。彼らは信州のへえぼう太郎に知られてはかなわないと歌っていた。毎年人を生贄に差し出していると庄屋に聞いた六部は、光前寺から犬を借りて箱に入れ神前に置いた。激しい噛み合いに村人が大勢で加勢すると、犬はついに猫どもを噛み殺した。手当てを受けて帰る途中、犬は天竜川の渡しで力尽き、今は光前寺に手厚く葬られているという。

原典より

そんなことではいかんと、百姓達は大勢で勢をつけたら、犬が遂猫どもを噛み殺した。—— 長野県上伊那誌 第5巻 民俗篇――昔話・妖怪譚(上伊那誌編纂会・長野県上伊那誌) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

長野県上伊那誌 第5巻 民俗篇――昔話・妖怪譚(上伊那誌編纂会・長野県上伊那誌)

『長野県上伊那誌 第5巻 民俗篇――昔話・妖怪譚』は、郡誌の第十章第一節「昔話 附妖怪譚」の冒頭部分を収める。序は、明治四十年の上伊那校長会の調査、荒井源司・宮下豊秀・有賀喜左衛門の採録、雑誌の所収分から百八十話を選んだと述べ、関敬吾編『日本昔話集成』に従う分類一覧に狐火・山姥・天狗などの妖怪譚の題も挙げる。本文は校長会報告の七話と伊那市手良で採られた五話の計十二話で、狐と狸の話、かちかち山、食わず女房、光前寺の犬の猿神退治などを含む。

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