五百年の古木と伝わる八房の梅
どんな伝承か
蒲原郡の小島村にある梅で、親鸞上人の旧跡である。五百年来の古木で、老いた根は虎がうずくまるよう、枝は竜がわだかまるようで、一つの根から八つに分かれて天を指し地を掃く風情はいいようもない。花は淡紅の八重の大輪で、枝は座を争うように開き、清らかな香りは数里に及ぶ。諸国の春梅を見てきたが、これに並ぶものはないという。実が塩気を帯びるという言い伝えについては、あえて論ずるまでもないと記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第3巻』は、山形・福島・新潟の三県に伝わる伝説を集めた叢書『日本伝説大系』の一巻である。湖水の干拓、鮭の大助、八百比丘尼、弥三郎婆、安達ヶ原の鬼婆、産女、雪女房、河童などの話のほか、松・杉・石・池・清水・温泉・長者にまつわる伝説を、口承資料を主に採っている。全体は「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」に分かれ、各項目は例話と伝承地を掲げ、〔類話〕〔文献〕〔参考〕で近世以後の史料や県外の類例を補う。