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母の体を破って生まれた鬼子

所在地新潟県五泉市矢津
年代伝承(口承)
登場山崎次郎右エ門、戸井田氏、小川中将吉範、矢津村の豪農・童子の父、伝記を寄せた会友、砂子塚村で童子を養った者
出典日本伝説大系 第3巻

どんな伝承か

酒顚童子は中蒲原郡菅名荘の矢津村の生まれだという一説がある。父は相模国から矢津村へ移った山崎次郎右エ門という豪農で、初めて身ごもった妻は十五か月ののち七日苦しんで死に、嬰児は母の体を破って生まれた。里人は鬼子だと恐れたという。天暦年中のことと伝える。容貌は美しかったが八歳で十四、五の体格になり、生まれつき酒を好んで酔えば全身が赤くなり、争いを好んだ。父は諭しても改まらないため山中へ誘い、仙見谷川の淵へ突き落とす。里人はそこを子拋ヶ鼻とも難越の鼻とも呼ぶ。童子は岸の松に取りついて笑い、藪へ消えた。翌夜戻って邸内に欅二株を植え、砂子塚村へ去ったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第3巻』は、山形・福島・新潟の三県に伝わる伝説を集めた叢書『日本伝説大系』の一巻である。湖水の干拓、鮭の大助、八百比丘尼、弥三郎婆、安達ヶ原の鬼婆、産女、雪女房、河童などの話のほか、松・杉・石・池・清水・温泉・長者にまつわる伝説を、口承資料を主に採っている。全体は「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」に分かれ、各項目は例話と伝承地を掲げ、〔類話〕〔文献〕〔参考〕で近世以後の史料や県外の類例を補う。

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