砂子塚に残る外道丸出生の邸跡
どんな伝承か
弥彦荘砂子塚村の南の入口に古い邸跡があり、その本館の跡と思われる場所が酒顚童子出生の旧跡だという。耕地にすると怪異が起こると言い伝えられ、老樹が茂ったままになっている。伝えでは、桓武天皇の第五皇子桃園親王が越後へ下ったとき、供の一人否瀬某がこの地に館を構え、数代住んだ。その子孫の善次兵衛俊兼が子のないのを憂えて戸隠山の九頭竜権現に祈ると妻が身ごもり、十六か月を経て男子が生まれた。外道丸と名づけられた聡明な美童は、俊兼が和納村へ移ったのち八歳で楞厳寺へ通ったが、人に逆らい愚行が募って寺僧に疎まれ、ついに寺を追われたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第3巻』は、山形・福島・新潟の三県に伝わる伝説を集めた叢書『日本伝説大系』の一巻である。湖水の干拓、鮭の大助、八百比丘尼、弥三郎婆、安達ヶ原の鬼婆、産女、雪女房、河童などの話のほか、松・杉・石・池・清水・温泉・長者にまつわる伝説を、口承資料を主に採っている。全体は「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」に分かれ、各項目は例話と伝承地を掲げ、〔類話〕〔文献〕〔参考〕で近世以後の史料や県外の類例を補う。