国上寺を追われ軽井沢へ移った童子
どんな伝承か
童子は和納の楞厳寺へ通っていたが、人に逆らい悪行が募って寺僧に疎まれ、寺を追われた。親は戒めたうえで、同じ郡の国上にある国上寺の侍童とした。ところが成長するにつれ大酒を好み、自ら酒顚童子と名乗って猛勇を振るい、色欲をほしいままにして師の教えを聞かず、暴悪が日ごとに増したため、この寺も追われた。家にも帰れず、国上山内の東稲葉の窟に隠れ住んで奇術を使い里人を悩ませたが、やがてそこを去り古志郡の軽井沢へ移る。軽井沢では茨木善次右エ門の家に生まれた茨木童子と気が合い、ともに大平山を住みかとして近辺を横行したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第3巻』は、山形・福島・新潟の三県に伝わる伝説を集めた叢書『日本伝説大系』の一巻である。湖水の干拓、鮭の大助、八百比丘尼、弥三郎婆、安達ヶ原の鬼婆、産女、雪女房、河童などの話のほか、松・杉・石・池・清水・温泉・長者にまつわる伝説を、口承資料を主に採っている。全体は「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」に分かれ、各項目は例話と伝承地を掲げ、〔類話〕〔文献〕〔参考〕で近世以後の史料や県外の類例を補う。