後瀬山の麓の洞と比丘尼の重宝
どんな伝承か
『笈埃随筆』は、万葉集や枕草子に詠まれた後瀬山を引いたうえで、その麓に八百比丘尼の洞があると記す。空印寺という寺に社があり、八百比丘尼の尊像は常に戸帳を開いていて、花の帽子をかぶり手に玉と蓮花のようなものを持つ座像であるという。社家には比丘尼が持っていた鏡、正宗作の鉾太刀、駒角、天狗爪などの重宝が伝わる。父は秦道満といい、初めは千代姫と呼ばれ、いまは八百姫明神として崇められていると記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。