岩田川の髑髏を貫いた柳と三十三間堂
どんな伝承か
蓮華王院三十三間堂は、後白河院の発願により平忠盛が奉行して千体の御堂として建てられたと記される。院は常に頭痛に悩み、どの療治も効かなかったが、熊野に詣でて祈ると、洛陽の因幡堂に天竺渡りの妙医がいると告げられた。因幡堂に籠って祈った満願の夜、貴い僧が現れ、院の前生は熊野の蓮華坊という行者であり、その髑髏がなお岩田川の底にあって、髑髏を貫いて生えた柳が風に揺れるたび身に響いて頭痛になるのだと説いた。掘り上げた髑髏は観音の頭に納められ、その柳は堂の梁にされたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第8巻』は、黄地百合子・酒向伸行・田中久夫が滋賀・京都・兵庫の三府県を分担して執筆し、福田晃がまとめた伝説集である。丹波の湖を神々が切り開いた国造りの話、神同士の争い、英雄や長者の盛衰、蛇と人の話、魚・鳥・石・塚・祠堂の由来などを、各地の口承や記載資料から集める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、高木敏雄・柳田国男の対応する話名を付す。