父の誓いに従い池神へ嫁いだ末女
どんな伝承か
土御門院の御代、建仁年中の新古今撰集のとき、出雲国北島の国造が勅命によって八月十五日に召された。折しも雨が降り続いて洪水となり、池と海が一つになって通路が絶えた。国造は車を止め、三日を過ごしても雨は止まず、ついに池神へ誓いを立てる。十月下旬、八雲に帰った国造は三人の娘を見て泣き、訳を問われて、三女のうち一人を佐与利の池神に嫁がせる約束をしたと答えた。長女と次女は拒み、末女が父のために嫁ぐという。末女は輿で七日かけてこの地に至り、浜村の長浜本氏の家に宿った。池頭へ赴くと風が起こり波が立って、輿は中流へ引き込まれた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第11巻』は、山陰の鳥取・島根両県の伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。矮姫による穀物の伝来、大山の山くらべ、伯耆の白兎、雲州皿屋敷、七尋女房、牛鬼、隠岐の後鳥羽上皇などを、伝承地を明記した口承の例話で示し、類話と近世以降の文献を添える。「文化叙事伝説」「自然説明伝説」の部に分けて話ごとに番号を付し、凡例のとおり例話・類話・文献・参考の順に並べ、多くの話に高木・柳田による伝説名を添える。