空から降った月星の石と千葉氏の名
どんな伝承か
延長八年六月十八日、平忠頼が千葉の郷に生まれたとき、日と月がともに輝き、めでたいことが重なった。産屋から本殿へ移って一族が祝っていると、月と星の形をした石が空から庭先に落ちてきた。天からの授かり物として大切にしまわれ、のちに醍醐天皇がこれを見て千葉石と名づけたという。千葉氏の名はここに始まり、嫡流は月星、分家は諸星を紋にした。石はのちに千葉勝胤が佐倉に勝胤禅寺を建てたとき納められ、今も同寺にある。別の伝えでは、子のない遠祖が天に祈ると、東の野の千把の藁の上の男児を育てよとの夢告げがあり、その子が千葉の名と月の紋を賜ったという。
原典より
産屋から本殿に移って一族郎党が集りお祝いをしていると、空中から月と星の形をそなえた石が庭前に落ちてきた。—— 千葉市の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
千葉市の伝説(平野馨)
『千葉市の伝説』は、平野馨が千葉市内に伝わる伝説をまとめた文章である。日本武尊と弟橘媛、行基、千葉氏の祖と天女、源頼朝、徳川家康・家光にまつわる話を中心に、神社仏閣・塚・泉・池・橋・地名の由来や、千葉笑い・雨降かっこなどの行事の起こりを集める。四十三の短い項を古代から近世へおおむね時代の順に並べ、多くの見出しに町名を添え、ところどころに別伝や発掘調査の結果を書き添える。