大沼の水底に沈む蝦夷松の林
どんな伝承か
函館と小樽を結ぶ鉄道の汽車で、駒ヶ岳のふもとの大沼と小沼の間を通ると、水の底に大きな蝦夷松の林が沈んでいるのが見える。残っているのは幹ばかりで、おおよそ五六十年生の木の密林だという。柳田国男は、山崩れや噴火、洪水で土地や村が埋もれた例を並べるなかでこれを挙げ、駿河の愛鷹山から神代杉が掘り出されるのも、一度はこのような状態を経てきたためではないかと考えている。
原典より
函樽鐵道の汽車で駒ヶ嶽の大沼小沼の間を行くと、水底に大きな蝦夷松の林が見える。—— 定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第3巻』は、柳田国男の紀行・日記・随筆を集めた著作集の一巻である。相模・武蔵の村々を歩いた「水曜手帖」、昭和二十三年八月の自序を持つ「北国紀行」、明治四十三年の「五十年前の伊豆日記」、国際聯盟の委任統治委員会に勤めた大正十一年の「瑞西日記」と「ジュネーブの思ひ出 その他」を収める。後半の「菅江真澄」は昭和十七年二月の序を付け、真澄の著述と旅の跡を年を追ってたどり、写真解説を添える。