牛に布を奪われた嫗と布引山
どんな伝承か
善光寺に参ろうともしない偏屈な老婆が、四月八日の観音の日に布を干していると、大きな牛が現れ、角に布を引っかけて走り出した。老婆は追いかけるうち善光寺まで来てしまい、布は見つからないまま参詣して帰った。すると牛に取られた布は目の前の山にかかっていたという。この山を布引山と呼び、山腹には今も布のような白い筋が一節見えるといい、『牛に引かれて善光寺参り』の言葉もここから生まれたと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。