扇で日を招き返した秩父の長者
どんな伝承か
秩父の長者の三代目は、千軒の部下の家族に秩父じゅうの蕨を一日で狩らせ、自分の家の者には高篠山を受け持たせた。日の丸の扇で日輪を招き返したが、他の山の蕨が高篠山へ飛んでくるため、長者の家族だけは取り尽くせない。ふたたび扇で招くと、扇ぐたびに家族の者が消えていき、ついに長者も屋敷も無くなってしまった。高篠山にはこのときから取り尽くせぬほどの蕨が生えるようになり、今もここの蕨は秩父名産の一つだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。