錦の袋が結んだ芋掘長者の縁
どんな伝承か
鴨江寺の観音堂は大同二年に芋掘長者が建てたものといい、寺の西の長者ヶ平という所が長者の旧居の地だという。昔、奈良の京の長者の娘に信心の深い者があり、ある夜の夢に錦の袋を授かった。その告げに従って一人東へ旅立ち、この国まで来て芋掘りの伏屋に一夜の宿を求めた。夢の次第を語って錦の袋を見せると、主人もそのような袋なら自分も持っていると言って取り出す。まったく同じ形で、どちらの袋にも黄金の玉が入っていた。この奇縁から二人は夫婦となり、家は富み栄えて長者になったと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。