娘が小石を置く立場石
どんな伝承か
志和岐浦の近くの山の中腹に、誰も斧を入れたことのない森がある。木を伐れば良縁に恵まれないと言われてきた。その森の中に立場石という岩があり、通りかかる娘は小石をひとつ載せていく。先に載っていた石が落ちていたら、倍にして返さないと縁が遠くなるという。昔、この山を越えてきた娘が、生家の小石を袂に忍ばせてきたが途中で捨ててしまった。のちに父の死を知り、里が恋しくて毎日その辺りを眺めて暮らし、とうとう思い死にをした。捨てた石はしだいに大きくなったと伝える。
原典より
志和岐浦の附近の山の中腹に、誰も手をつけたことのない森があり、そこの木を伐れば良縁がないと謂はれてゐる。—— 日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。