祐成の姿が映った虎清水
どんな伝承か
信夫郡の山口、山裾の道ばたに虎清水と呼ばれる湧き水がある。曾我祐成が世を去ったのち、虎女がこの地を訪ねてきた。文字摺石の面を榊の青葉でこすってみたが、恋しい人の姿はどうしても浮かばない。あきらめて山を下り、わずかに水の流れているところを見つけて指で掘ったところ、その水面に祐成の面影が現れたという。これを虎滴水とも呼ぶと『信達民譚集』は伝えている。
原典より
祐成死後、虎女この地に来て、文字摺石の面を榊の青葉で摺つたけれども、思ふ人の姿は見えず、山を下り、少し水の流れてゐる處を見つけて指で掘ると祐成の姿が水面に現れた。—— 日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。