身を投げた妻の機音が響く沼
どんな伝承か
登米郡錦織村に機織沼と呼ばれる沼がある。沢辺新左衛門の城が落ちたとき、その妻は敵の捕虜になることを潔しとせず、この沼に身を投げて死んだ。それからのち、晴れた夜の静まりかえった刻限になると、どこからともなく機を織る音が聞こえてくるようになった。その音を耳にした者は死ぬと言い伝えられ、人々が弁財天を祀ったところ、音はやんだという。『登米郡史』に載る一条である。
原典より
昔、澤邊新左衛門落城のとき、その妻は捕虜とならんことを欲せず、この沼に投じて死んだ。—— 日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。