黒鉄橋で消えた芸者風の女の客
どんな伝承か
鬼怒川の温泉地では、著者が訪れた年の前年の四月十五日午前二時ごろ、芸者のAさんが黒鉄橋から渓流へ身を投げた。目撃者によれば緋色の長じゅばん一枚で飛び込み、橋の上にはかつらと着物がきちんと畳んで残されていたという。わけは今もわかっていない。それ以来、土地では怪しい出来事が続き、死んだ芸者の魂がさまよっていると噂された。宇都宮のあるタクシー運転手が黒鉄橋の上で芸者風の女を乗せ、行き先を聞こうと後ろを振り向くと、乗せたはずの客の姿はどこにもなかったという話もその一つである。著者は心霊写真の追跡で現地に泊まり、地元の芸者たちからこうした話を聞いた。
原典より
たとえば、宇都宮のあるタクシー運転手が、黒鉄橋の上で芸者さんを乗せ、行き先を聞こうと後部座席を振り返ったところ、乗せたはずの芸者さんの姿はなかったという話がある。—— ここまでわかった霊界の真相(つのだじろう・1993年(平成5年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ここまでわかった霊界の真相(つのだじろう・1993年(平成5年))
『ここまでわかった霊界の真相』は、漫画家つのだじろうが平成五年に日本文芸社から刊行した心霊の解説書である。著者自身の主護霊の出現や自宅の不可解な火災などの霊体験に始まり、死後の世界の層の構造、主護霊・因縁霊・地縛霊などの霊の種類、心霊写真と念写、霊感を強める訓練法までを説く。『ついに霊魂をとらえた』など著者の過去の活字本を再編して新しい話を加えた全七章の構成で、はじめにで漫画と活字の違いを論じる。