蛇石の幽霊を語る伊浜の宿の女将と会長
どんな伝承か
蛇石で女の霊に身の上話を聞かされた文屋剛は、伊浜の船長の家に上がり込み、起きてきた女将に、蛇石を通ったら出たと告げた。女将は、蛇石には墓地もあり、出たと話す客が何人もいると答え、さらにこの家のすぐ上の広い空き地も以前は火葬場で、そこで見た人もいると付け加えた。二階から下りてきた釣り仲間にも話が伝わり、前夜に岩地で崖崩れがあって通行止めだと聞いた会長は、帰りは下田を回ろう、蛇石は通りたくないと言った。会長自身も、蛇石で女の幽霊から身の上話を聞かされたことがあるのだという。
原典より
「あぁ、あそこは墓地もあるし、蛇石は出る出るって言うお客さん何人かいるよお。—— 水辺の怪談2(水辺の怪談シリーズ) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
水辺の怪談2(水辺の怪談シリーズ)
『水辺の怪談2』は、釣り人たちが釣り場や釣り宿で出会った怪異を、本人の筆で綴った体験記を集めた本である。伊豆半島や南紀の磯、黒部峡谷、芦ノ湖、中禅寺湖、北海道の渓流などを舞台に、金縛り、女の霊、謎の足音、自殺のあった場所の怪などを、釣りの様子とともに語る。「海の章」と「川・湖の章」に分かれ、各編の冒頭に筆者の住まいや職業、得意な釣りを記した紹介を置く。