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皿を割ったお菊の幻聴と播磨の思惑

所在地東京都千代田区
年代現代(精神医学)
登場お菊、青山播磨、岡本綺堂、手討ちにされた召使い、お菊を手討ちにした旗本、戯曲『番町皿屋敷』の作者
出典怪談の科学――幻覚の心理を探る

どんな伝承か

『番町皿屋敷』では、古井戸の底から一枚、二枚と皿を数えるお菊のか細い声が聞こえ、手討ちにした播磨をはじめ屋敷じゅうが震えあがるが、お菊は姿を見せず声だけで訴える。岡本綺堂の戯曲では、お菊は播磨と通じており、伯母のすすめる縁談に不安を抱いて播磨の愛を試そうとわざと皿を割り、怒った播磨に斬られる。著者は、播磨はすでにお菊をもてあまして縁組に心が傾いており皿を口実に始末したのだとみて、そのやましさが井戸からの幻聴となり、錯乱する播磨から惨劇を見た使用人たちにも幻覚が広がったと説明している。

原典より

「いちまーい、にまーい」と古井戸から聞こえる、か細いすすり泣くようなさらを数えるお菊の声は、播磨を始め屋敷中の人々をふるえあがらせる。—— 怪談の科学――幻覚の心理を探る(中村希明・中村希明・精神医学) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

怪談の科学――幻覚の心理を探る(中村希明・中村希明・精神医学)

『怪談の科学――幻覚の心理を探る』は、中村希明が精神医学の立場から著した怪談の解説書である。新聞記事の幽霊騒ぎや体験談、民話の化かされ話、「浅茅ヶ宿」やハムレット、『四谷怪談』などの古今東西の怪談を取り上げ、その多くを高速道路催眠現象、感覚遮断、飢えや寒冷、睡眠や薬物による幻覚として説明する。生理的幻覚から精神変調時の幻覚までを四章で分析し、第五章「怪談の論理」で恐怖と幻覚の仕組みと日本の幽霊の特色を論じる。

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